ショートステイ(短期入所)って??

介護保険

ショートステイとは

介護施設に一時的に宿泊して必要な介護を受けるサービスのことです。

一か月の中の数日施設に泊まります。連続して30日まで保険給付されますので、一か月まるまる利用すると31日目が保険給付されません。

保険給付されない日を完全に自己負担で利用して、また新たに連続30日という利用もできなくはないですが、「それって短期入所なの?30日以上だったら老健入所のほうが適切じゃないですか?」ってなりますよね。

多くの自治体で介護施設に入居待機者がいるように、ショートステイも需要が供給を上回るサービスです。不適切な利用で貴重な資源を圧迫するのは良くないです。

また、認定の有効期間の半分を超えない程度での利用が推奨されています(推奨という名の強制)ので、ルール通りの利用だとすると毎月二週間以内の利用が最大値ということになります。

どんな時に利用するの?

介護する人が、介護をお休みする目的で利用します。

お休みの理由としては、「介護する人が旅行に行く」、「介護する人が遠方の婚礼や法事に行くので日帰りできない」、「介護する人が体調不良」などが一般的ですが、特段の理由もないけど、毎月一週間くらいは介護をお休みしたい、という理由で定期的に予約していくというケースもあります。

こういう使い方ってできるの?

これから在宅介護を始める、という相談をお受けしているときに「月曜日と木曜日はデイサービス、火曜日と金曜日はヘルパーさんに来てもらって、土日はショートステイをお願いします」というご希望を承ることがあります。割とよくありますし、土日は自分も休みたい、という気持ちはよくわかります。

制度上はこういった利用もありえますが、現実世界でこのような希望が実現することはほぼありません。私や同僚がこういう計画を立てているのも見たことがありません。ショートステイ施設にこういうお願いをして、断られているのはたまに見ます。

ショートステイ施設の立場になって考えたら理解していただけると思いますが、『毎週土日だけ使う人』がいると、『月~金だけの利用で帰ってくれる人』を見つけないと、ベッド稼働にロスができてしますが、そんな都合のいい使い方をしてくれるお客様って世の中に果たして何人いらっしゃるでしょう?

介護施設も慈善事業ではありません。しっかり黒字を出せないと倒産するか、倒産する前に事業を止めてしまいます。

「介護施設は補助金でなんとかなっているんじゃないの?」って思う人がいるようですが、介護保険が開始されてからは介護事業も営利企業の参入が認められ市場に開放されています。市場に開放されたということは、利益が出なかったら撤退する、ということです。

最近ようやく報道されるようになってきましたが、介護事業所が倒産や廃止しているのは放漫な経営をしているからではありません。

具体的な利用手順は?

まずは利用したい日付を指定して(最低2泊くらいでないと施設側が入退所で忙しいだけになってしまうので逆に取りにくいです)ケアマネさんに申しこみしてもらうことが一般的です。施設からOKのお返事がくれば計画化するという流れです。

ちなみに私の勤めている自治体では『ショートステイの申し込みは三か月前の一日』という不文律があります。10月1日に2月のショートステイの申し込みは完了していますので、当月になって申し込んでも基本はキャンセル待ちという形になります。

三か月先の予約をしているので、その日が来るまでに体調を崩してしまう要介護者も高確率でいらっしゃいます。するとそこの予約がキャンセルとなっていますので、それなりキャンセル待ちをする価値はあります。

『三か月前の一日に、家族が利用したい施設に行って抽選を受ける』というシステムの自治体があるという記事も雑誌で見たことがあります。

このくらい需要と供給のバランスが悪いサービスなんですね。このあたりは本当に自治体によるとしか言えませんので、当月になってからショートステイが予約できる地域にお住いの方はその生まれの幸運を感謝すべきだと思います。

どこでショートステイできるの?

基本的に特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護医療院で利用することができます。まれにショートステイ専門の施設もあります。

棲み分けとしては入所の記事に詳しく書いてありますのでご参照願いたいですが、簡単に説明すると「医師や看護師でないとできない処置があるか、ないか」で分岐します。

処置があれば老人保健施設または介護医療院、なければ特別養護老人ホームまたはショート専門施設です。

将来的に特養や老健に入所したい、と考えている場合はお試し利用として意中の施設のショートステイを利用してみるのも有意義だと思います。評判と自分の感想が異なることもあるので、日数を決めて利用できるショートステイでのお試しはぜひおすすめです。

まとめ

ショートステイというのは、在宅介護に疲れた介護する人がお休みするためのサービスです。

ショート(短い)、は人によって感覚が異なりますが、介護保険では30日以内のものを指します。それ以上の日数の希望があれば、それは短期入所ではなく入所になります。

お申込みはケアマネさんを通して行うことになりますが、申し込みタイミングなどは自治体や施設によって異なりますので、担当のケアマネさんに余裕をもって確認してください。ショートステイを利用したい意向があるなら、予定が具体的になっていないうちに相談してください。

ケアマネさんが聞いたタイミングでは申し込みが終わっているなんてこともあり得ます。

今日もお読みくださりありがとうございます。

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