介護施設の選び方って??

自宅での介護が難しいとき、施設入所を検討すると思います。

「介護3以上ないと申し込めないって聞くけど?」、「自治体が運営しているような施設が安くて安心」など、このあたりのことをよく聞かれます。

結論から申し上げますと、施設類型を間違わなければ介護3未満でも入所できる施設はありますし、自治体が運営していようが、営利企業が運営していようが、一割負担の方でも毎月10万円に収まるところはほとんどないです。

 

まずはざっくり上記のことを踏まえてもらいつつ、やや細かな話に入っていきたいと思います。

 

介護保険法で介護保険施設と定義されている施設は三類型あります(これ以外にもめちゃめちゃたくさんの類型がありますが、介護保険法で定義される介護保険施設は三つだけです)。

まず特養と呼ばれることが多い『特別養護老人ホーム』です。ここが介護3以上ないと申し込めない類型です。というか、介護3以上ないと申し込めないのはこの類型だけなので、ほとんどの施設は介護1以上に認定されていれば申込できます(入所できるとは言ってない)。

特養は専門的な医療処置がないか、あってもごく低頻度な要介護認定者が基本終身で入所する施設です。費用的にも一番安価に収まることが多いです(それでも10万円はみておいてください)。

次に老健と呼ばれる『老人保健施設』があります。ここは常勤である医師がいて、看護師も24時間配置されています(つまり特養には常勤医師はいないし、看護師を24時間配置する義務はないということです)。

常勤医師がいて、24時間看護師がいるということは、特養に比べて医療依存度が高い人でも入所できる場合があります(できるとは言ってない)。

なぜなら老健の意義というのは、『病院で治療をする段階は過ぎて病態は安定しているけど、だからといって今すぐ退院するにはちょっと難しい』人が、自宅へ戻ることを目的として療養やリハビリをするための施設だからなんですね。

私がこの仕事に就いたときは中間施設とも呼ばれていました。家と病院の間を取り持つということなんでしょうね。家に帰ることを目的としているという建付けなので、介護1以上で申し込める訳ですね(家に帰るとは言ってない)。

ちなみに、この『ちょっと難しい』にはご本人の状態だけでなくご家族の介護体制が整うまで、例えば就労中の人が退職なり時短勤務に変更するにあたっての引継ぎや勤務調整する期間だとか、介護リフォームをし終わるまで待って、みたいなものも含まれます。

特養と異なり終身を標榜している施設はないですが、結果的に何年も入所し続けて最終的に終身利用だったね、というケースも結構あります。

費用的には特養よりも高くなる場合が一般的です。考え方としては常勤医師や24時間配置の看護師、リハビリ専門職などの人件費分、特養よりも高くなる、という理解でいいと思います。

三つ目は『介護医療院』と呼ばれる類型です。2018年までは療養型病床という類型だったので、今でも療養型なんて呼ばれることが多いです。というより私の周りの医療職、福祉職の人で介護医療院という呼び方する人はみたことありません。ひょっとすると療養型って言うほうが話がスムーズのような気がします。

ここは、それまでの二つの施設類型に比べるとかなり病院に近い運用がされています。実態とすれば介護保険から報酬を得ている病院、というのが正しいと思います。

こちらは病院の機能を持った介護施設なので、対象になる方は当然、介護施設では対応できないような医療依存度が高い方たちです。常に医師・看護師が管理しないといけないような病態・状態の人たちが入所しますが、在宅介護の状態から申し込むというよりは、何らかの理由で急性期病院に入院し治療の結果、急性期の危険は去ったものの、自宅や介護施設で過ごすのは生命の危険があり専門職の療養管理が常に必要、という方が『転院』という形で入所していくのが基本です。

そりゃ、たまには介護医療院の医師や職員と特別な縁故関係があって、在宅から入院する事例もあるにはあります。実際そういう事例にかかわったことがあります。

まったく私の知らないうちに入所が決まってました。とはいえ、そんな離れ業は再現性がないので、特別な関係性にない人は通常の手順で入所するようになると思います。

 

先に述べた通り、これら以外にも介護を受けながら生活できる施設はたくさんあります。そちらについてはまた別の記事にて。

 

ひとまず今日押さえておいてほしいことは以下です。

①介護3未満でも申し込みできる介護保険施設はあります申し込めても入所できるかは別の話です 入所できないというわけでもないですが強運が必要です

②費用は10万より安くなることはほとんどないです一般的には15万以上かかると思ってください

③特別な縁故関係がある場合はフルに活かしてください就活と一緒ですね

 

また別の記事も上げますのでよろしくお願いいたします。

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