在宅介護を始めよう!という方へ

介護保険

ここまでは施設入所について重点的に記事にしてきました。

しかしながら介護保険サービスを利用している方のほとんどは施設(様々な類型含めて)ではなく在宅介護を選択なさっています。

その理由は大きく二つです。

①施設に比べて費用を圧縮できる。

②家族と一緒に、住み慣れた環境で生活できる。

これらに加えて、もともとのコミュニティーとの繋がりが途切れないなどもあるように感じます。コミュニティーは友人・知人・サークル活動などですね。

これまでの記事でご説明したとおり、一般に介護施設に入所すると毎月少なくとも10万円程度は負担しないといけません。内訳として『介護費用+食費+居住費』は如何なる類型でも支払う必要があります。

食費と居住費については『良いものを提供する分、より高い費用負担を求める』施設もありますので、施設によって値段は変わりますし、最低ラインは決まっていますが、高い分には青天井です。まれに一か月で数十万円という富裕層向けの施設があるので、ご存じの方も多いと思います。

これに加えて水光熱費や医療費などもかかってくる場合があります。

この食費と居住費については自宅にいてもかかってきますが、同居している方がいる場合は共用できる部分も多いですので、その分が圧縮できます。持ち家でローンが終わっていれば、居住費については固定資産税と修繕費だけですね。

また介護費用の部分についても、在宅であれば必要なサービスだけを利用して、その分を負担すれば良いわけですが、入所していると自動的に支給限度額分はまるまるその施設に使ったことになるわけですので、あまり手が掛からない人も、結構お手伝いが必要な人も介護度が同じだったら費用負担は同じという計算になります。

 

ですので、在宅介護の場合のほうが費用を圧縮できて、しかもその費用負担に納得がいきやすいという心理的なメリットがあります。

また自治体によりますが、在宅介護をしている方への金銭での給付がある場合もあります。ちなみに私が勤めている事業所がある市(人口40万はいない程度)では、一年間の半分以上を在宅で過ごした要介護3~5の人を介護した人に、年に4万円程度の給付金があります。要介護者本人ではなく介護した人に対してです。

介護費用の足しになるほどではないですが、ふとしたタイミングで4万円振り込まれるのでちょっとしたお小遣いには十分だと思います。嬉しいですよね。いきなり4万振り込まれたら。

一方で在宅介護をするようになれば、それまでなかったようなことにも出会います。

①介護に割かれる時間

②介護行為そのものによる身体的負担

③自由に外出できないという心理的な制約

 

え?こういうのは介護保険でなんとかしてくれるんじゃないの?、と思った方、それが普通のリアクションです。でもそうじゃないので記事にしています。

介護保険のサービスではできないこと、同居している人がいたらできないこと、そもそもそれは家族じゃないとやれないこと、など介護サービスでは対応できないことだらけなんですね、日常生活って。

ご自分の毎日やっていることを一週間分思い出してみたら想像つくと思います。仕事に行ったり買い物したり、トイレやお風呂以外にも、銀行へ行ったり、役所に行って手続きしたり、なんらかの契約行為を行ったり…

なかなか他人に代理してもらえないようなこと、結構ありませんか?介護保険でやってもらえるのは「介護だけ」です。

このあたりは今後の具体的なサービス内容の説明記事で詳しくふれたいとおもっています。

介護を受ける人の状態によっては、認定を受ける前と比べてほとんど変化がないケースももちろんあると思いますが、要介護認定を受ける=身の回りのことにお手伝いが必要な状態であるとお上が認定している状態、ということですので、一般的には上記のような制約が(程度の差こそあれ)付きまとうはずです。

 

まとめますと、在宅介護をする場合は

費用負担は施設に比べて軽く済むことが多いというベネフィットの代償がある。

 

ここは押さえておいていただきたいです。

今後は在宅で利用できる介護保険サービスについて記事にしていきたいと思います。

お読みくださりありがとうございます。

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